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年々音楽を聞く、という行為において環境が多様に変化していくものですが、最近ですとやはり「ストリーミングサービス」の普及によって、そもそもCDイラナクネ?みたいな風潮が有りますね。そのあたりについて色々と考えた、ってか思った、ってことを毎度の様にチンタラ書いてみますかね。

IT時代(死後)の音楽の聞き方

ぶっちゃけインターネット普及期だった2000年前後なんかに比べますと、最近のGoogle先生は物知りすぎてヤバいです。私はダイヤルアップ回線時代からのインターネットユーザーでございますが昔はYOUTUBEなんてありませんでしたしね。

まあ検索エンジンの何がヤバいって、例えばキーワード「KITOTAN」でエゴサーチしてもどっかかしらで検索が引っ掛かるっていう重箱の隅のつつきっぷり。いやはや、まあそんな下らん遊びはともかくですね、最近私がマイブームの遊びってのが「音楽雑誌適当に開いて知らないアーティストをYouTubeで検索」ですね。

なんていうか音楽が好きな人はコレでもう博士ですよ博士。いつの時代の作品だって、いくらマニアックかつマイナーな作品だって、驚く様な作品が検索結果としてひっかかってきます。

昔の話をしますとですね、情報収集つうのは雑誌やテレビやラジオが良いところで最悪「口伝」とかいう北斗神拳みたいな教え方も有ったくらいです。今も昔も「詳しい自慢の博士キャラ」っていうのがいてですね、小難しい薀蓄を垂れてはヤングなギャルを辟易とさせたりしていたわけですが、現代において「博士キャラ」はもう不要かもしんない。

だって検索すれば何でも出てくるんだもん。

IT時代(死後)の音楽の作り方

えー、昔はサウンドアンドレコーディングスやギターマガジン、ベースマガジン、ドラムマガジン、キーボードマガ(ry といったリットーミュージックな雑誌を読んで楽器演奏や音楽の作り方なんかを学んだ方というのが大量にいたわけですがね、最近ですと新しい音楽の作り方、仮にまあ「Dubstep」ですとか「WoobleBass」で検索してもご丁寧な事にYOUTUBEに検索結果が出てまいります。オーマイガー!

まあ人によってはですね、そのキーワードが「ED 改善」だったり「薄毛 原因」だったりするのが中年の悲しい性ですがね。

それにアプリケーションのインストールから操作まで、Google先生に聞けばなんでも出てくるんですわ。こいつぁすげえ。しかも無料、なんと今ならデジタルカメラもついてくるかもしんないくらいの勢いですよ奥さん!?

なんて感じでですね、要するに最近っていうのは「検索スキル」ってところでかなりのスキルが賄えてしまうんですよね。

IT時代(死後)のがっかり感

まあいい事ばっかりな様に思える最近のご時世。はたしてマジでそうか?って思うとですね、意外とそうでも無いかもしんない。んでもってなんでダメかっていう点も挙げていきますかね。

エラーが発生しずらい

昔っていうのはですね、特にダンスミュージックなんかは顕著ですがね、機材の使い方を間違いまくった結果生まれた音楽が大量にございます。シカゴのハウスなんかも当時たたき売りされていたRoland製の機材を使って出来ましたし、それはもうメーカーの意図なんてクソも感じねえレベルで使ってますよね。

HIPHOPも元々はサンプラーありきの音楽ですが、サンプラーの使い方に対して「フレーズを録音する」なんていう使い方は絶対メーカーは想定していなかったはずです。

モテずらい

こんだけ情報やツールが氾濫しておりますとですね、俺:「音楽やってるんだお!」 女子:「キャー素敵!」なんていう展開望めません。音楽やってる奴なんて腐るほどいますし、音楽をやるっていう行為の敷居の低さっていうのもクソファッキン低いですよ現代。

商業音楽家のピンチ

音楽で飯を喰う、っていう行為も昔よりも難しいと思いますね。なんつったってリスナーの数は変わりませんがミュージシャンの数や発表される作品の数は年々増加してんじゃねえかな、って思います。「将来の夢はボカロP」という釣りが平然と横行している現代、おっさんとするとそのネタに突っ込むのもアホくさいくらい世知辛さ、お金の大切さは身に染みています。

あの天才トム・ヨークですら「明日音楽業界がぶっ潰れるんじゃないかって毎日心配してる」とか言っちゃうくらいですしね。ただ、ネットをマーケティングに利用して良い成果を上げている人々もいるようですし、あまり悲観的になっても仕方無いような気もしますね。

経験・体験がすっぽ抜け

これだけ情報にあふれていると「知ってる」っていうのは結構簡単。だがしかし、そこに「経験・体験」が伴わない限り所詮バーチャルな訳ですよ。USTREAMで有名DJのプレイを聞いて解ったような感じってのも楽ですがね、実際に会場に足を運ばないと解んない事、っていうのも沢山あるでしょうしね。

まあたとえばですがね、ウッドストックのDVD見たってその凄さ、楽しさ、っていうのを知っているのは当時会場にいた人々な訳ですよ。私たちはそこに改変された情報を与えられて想像するしかないんですよね。そういう事は物事を深く掘り進めていくのにとっても大事なことなんじゃねえかと。


つうことで毎度の駄文・長文お疲れ様です。まあなんやかんやで凄いぜ現代、って思いますがね、おっさんからすると良くない事も沢山ある様に思いますね。でもまあ割と前向きに最近の利便性と付き合っていきたいなと思う今日この頃、ですね。

(text by 佐々木)