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日本の現代美術アーティストとしては破格の成功を収めた村上隆さんの芸術起業論を読んでみました。実際作品については「好きではない」という意見が多いような気がしますね。

しかしとても面白い本でございました。彼は36歳まではコンビニの裏から売れ残りの弁当を貰うような貧乏生活をしていたそうです。作品を発送するにも段ボールをスーパーなどから貰ってきていたそう。そういった背景から「芸術には時間と金銭が必要」と悟ったそうです。

実際日本のアーティストというのは「武士は喰わねど高楊枝」といいますか、金銭にうるさい芸術家を嫌う傾向が有ります。本書はそういった姿勢に対して一章目から攻撃的です。

身も蓋も無い事をすると作品は評価されるが友達は減った、なんて感じらしいですね。どうも人間は成功した人間を卑下しなくては自尊心を保てないようなところがありますし仕方無いのでしょうか。

海外のアートシーンはオリジナリティのある独特な物が評価されるらしく、作品を作るにあたって自分の歴史や好みを掘り下げる事の重要性なども書かれています。

また戦略的に海外のアートシーンを研究し、自分の作品を説明する事に非常に大きな注意を払っているそうです。これはビジネスの世界ですとマーケティングになるのでしょうか。

商品を広告するように作品のキャプションに気を使われているそうで、翻訳者の選択にも気を使っているとのこと。本書の装丁には「超ビジネス書」と書いてあるのですが、確かにこれはビジネス書ですね。

個人的には「芸術や音楽でお金を稼ぐこと」というのに別段反対意見は有りません。野獣の様にやりたいことを表現して評価される天才というのも稀にはいるのでしょうが、大半は市場に自分を変化させて対応しなくては評価されるのが難しいのではないかと思います。

市場の反応を見て楽しむ快感というのは確実に存在するでしょうから氏の考えについてなるほどと思うところが多々ありました。

僕達はまだ2012年の8月に活動を開始したばかりですが、今後もっとたくさんの人々に面白おかしくなって頂ける様に努力を重ねたいと思わせてくれた一冊でした。

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