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ちゃっす佐々木です。何年ぶりのブログ更新だよって感じですけど、実はオーディオインターフェースとパワードモニターからのケーブルをしばらくぶりに変えてみました。

今までオーディオインターフェース(Audient ID22)からパワードモニター(ADAM A7)までのケーブルはBeldenの88760を使ってました。

それまではMOGAMIを使ってたんですけど、解像感とか臨場感とか、様々なところで88760が上回っていたので特に不満が無く、だからこそ結構長いことそのまま使ってました。

けれど、なんとなくBelden88760に不満が無いと言えばそんな事は無く、なんとなくハイ上がりな訳です。

※某有名ケーブルショップでは88760こそがフラット、みたいな事を強く言っていますが、あのお店では全然フラットでは無いBelden8412をフラットと言い切っていますので、話し半分で良いと思います。

ということで白羽の矢が立ったのがGothamのGAC4/1です。

Gotham GAC4/1 ファーストインプレッション

はんだ付けを終えてインターフェースとモニターの間にGotham Gac4/1を接続。

最初に聞いた時の印象は「失敗した!」でした。なんかコンプがかかったみたいにのっぺりした音で、Jazzのピアノの曲を聞いてみたのですが、なんかもったりと遅い音で評判ほど全然クリアじゃない、というのが第一印象でした。

ソースを変えてみても印象は同じです。

しかし、数時間が経過するとどんどんと広域がスーッと上に伸びてきました。最初に感じたコンプ感も薄まってちゃんとダイナミクスの表情も出てきます。いわゆる「エージング」という奴ですが、実はあんまりここまでケーブルで再生中に音が変わっていく感じを感じたのは始めてです。

再生数時間程度の印象だと「ピラミッドバランス」です。低域がどっしりと構えていて、高域は出ていない訳では無いですが、不快な尖った感じも無いです。

正直に言うと、今まで使っていた88760の高域が、どうしてもリボンツイーターのスピーカーだと高域がたまに刺さって不快さを感じてしまうという難点が有りましたが、Gotham Gac4/1にはそういう問題は有りません。

なんとなく個人的な経験ですが、2芯+シールドのケーブルよりも、4芯+シールドのケーブルの方が低域が出るという印象が有るのですが、それも非常に関係しているかもしれません。

音質に関して言うと「濃密」です。ある意味では88760とは対象的な性格のケーブルに思えます。あちらは解像度重視で、スピード感も非常に早く、例えるならばスポーツカーみたいなケーブルです。

情報量が少ないかと言うと全くそうでは無く、一部のアタック成分に関しては88760以上に上手に表現しているところもあります。とくにジャズのドラムのスティックが皮に当たるところのアタックの解像感は88760よりも妙に生々しく感じます。

また、レンジ感は接続直後は阿呆みたいにナローレンジで中低域にパワーが集まってるような感じでしたが、再生が進むと意外とすーっと上にレンジが伸びているのに気が付きます。

ただし、わかりやすく高域側のハイレンジさや開放感に関しては絶対に88760の方が上です。ただしどうしても高域寄りのバランスというか、超低域の再生が余り上手く無いと言うか、スピード感の有る高域が先に耳に入ってしまうのが88760です。一長一短ですかね。

ただ、どちらが「自然な音か」という事を考えると、Gotham Gac4/1の方が自然です。

また、88760に比べると音量を上げたくなってくるというポイントもあります。過去の経験上、オーディオをチューニングして成功したなというのは「音量をあげたくなる時」です。音量を下げたくなるのは「どこかの帯域がブーストされていてうるさく感じる」という事ですので、もしかしたら正解かもしれません。

ただ、まだエージングが進んでいる訳では有りませんので、もう少し再生時間が伸びてから考えるべきでしょうか。

平均して一日6時間くらいスピーカーを鳴らしていますので、10日後くらいにエージングの完了したGotham Gac4/1とBelden 88760で比較試聴してみるべきでしょう。

Gotham GAC4/1 エージングを終えて

既に余裕で100時間以上を経過しましたので、その後の状況をお伝えしようと思います。

結論から言って、エージングを終えたGotham GAC4ですが、正直に言ってBelden88760より良いケーブルだと思います。

1.高域のレンジ感は88760と同様なのに、高域に妙な硬さが無くスムースにワイドレンジ。
2.録音の悪いソースがはっきり解るようになった。
3.ミックス作業もGothamの方がバランス良く詳細に把握出来る。
4.SNが良く聞こえる。真っ暗な無音から立体的に音像が浮かび上がる。

上記の点がメリットでしょうか。

ただし、Belden88760のメリットは「割とどんな録音ソースのものでも、気持ちよく脚色してくれる」という点だと思います。録音の良し悪しにあまり左右されない印象です。

特にピアノなんかはとても綺麗に表現します。