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ちゃっす、佐々木です。ライントランス作りまくってからあんまり機材に興味なかったんですけど、実は作業部屋のエアコンが窓用エアコンでクッソうるさいっていうのと、密閉型のヘッドフォン(SONY ST900)もなくしてしまい、マイク撮りの時に音かぶりまくりで悩んでたってこともあり、密閉型orイヤホンを買おうと長いことむったんに相談しておりました。

ちなみにですがヘッドフォーンはアレです。AKGの240STを日常利用しております。240STは最近むちゃくちゃ見なおしていて、地味に凄くフラットでモニタースピーカーライクに利用出来る銘器だなって思ってました。

結果ER4Sを買ったんですけど、その途中経過とか他に聞いた機種とかも含めてちょいとレビューしますね。

んで、むったんにオススメを聞きつつ色々と話した結果、「ヘッドフォンならオーディオテクニカのMX50、イヤホンならSHURE315かアルティメットイヤーズUE900sにでもしとけばいいんじゃないっすかね?」みたいな感じでした。実は今回購入に至った経緯は「冷蔵庫かってヨドバシのポイントががっつり溜まったから」ですので、予算は大体三万円以内を想定していました。そもそもヨドバシになかったのでアルティメットイヤーズは無しになりました。

つうコトでヨドバシで試聴。

オーディオテクニカのATH-M50xMGを視聴

おっ、いいね。新しい時代がやってきたね。でもですね、なんつーか別に何も感じません。なんだろ。もうヘッドフォンよりもイヤフォン欲しいって氣持でいっぱいだったのでしょう。しかしレンジも広く、最近の海外の著名なミュージシャンのレコーディングでも多用されているのもうなずける素晴らしい出来。

若干ドンシャリに感じましたが、900STよりも現代的ですし聞いてても楽しいサウンドです。しかし240STと比べると240の方が優秀かな?って感じですね。まあそもそもセミオープン型と密閉型で比較してもしゃあないっちゃしゃあないんですけども。

でもコレ、ファーストヘッドフォンにならオススメ出来ますよマジで。高いですけどね、半端に。

番外編:STAXを視聴

あー、いいっすね。音場も自然でナチュラル。解像度も高くとにかく氣持が良いです。なんか耳元にスピーカー当てて聞いてる感じです。解像度も分離も文句なし。フラットかどうか、はちょっと怪しいです。モニターライクっていうかどちらかというと美音系な気がしますので作業はどーだろ?

まあ、値段が高いので断念ですよね・・・。

SHUREのSE215とSE315とSE425を視聴

まずはSE215を視聴。なんていうか、解像度の低いNS10Mで音楽を聞いている様な氣持に。非常に評価が高いですし、ここからイヤホン沼にはまる方が多いらしい名機と聞いていましたが、今回の私の選択基準は「あわよくばAdam A7的なサウンドで、240ST以上にナイスな奴」です。これなら正直別に買わなくていいや、と思いましたSE215。

つうことで並んでいるSE315を視聴。うん、ちょっとレンジ広くなった感じがします。音抜けも大分いい感じに。でもなんか中域がざわざわしてるし、なんかすっきりしない。これはSHUREのイヤホン全般に感じたんですけど「カサカサもっさり」した感じがします。まあコレも別にいらねーやって思いました。むったんが「SE315はリケーブルしないとダメです」とか言ってたのもちょっとうなずけます。多分チューニングするといい感じになるのかも。そういうポテンシャルの高さを感じましたが、欲しいとは思いませんでした。

さて、SE425も視聴です。SE535は予算オーバーなのでスルー。SE425はSE315に比べて、結構いい感じです。しかしやはり「カサカサもさもさ」した感じと、世間で言われているほど解像度高いとか全然思いませんでした。基準がモニタースピーカーのAdam A7です。ADAMはリボンツイーターで超高解像度なので、耳に突っ込むんだからスピーカーよりも解像度高くないと嫌です。つうことでコレも無し。

SONYのMDR-EX1000を視聴

地味にこいつかER4Sが本命でした。聞いた瞬間にSHUREよりも解像度が高く、特性もフラットでワイドレンジに感じました。コレ、かなりヤバイです。しかしER4Sと聴き比べてみると、ちょっとだけ中域のパートのコードの分離が甘いな、と感じました。
それにお値段も高いです。

今回の視聴の中ではもっともワイドレンジだった気がします。まあ、値段が高いですしね。

やめた理由が一つ有るのですが、むちゃくちゃ「K240STに似てる!」と感じたからです。K240STはたったの一万円で買えるヘッドフォン。しかしEX1000は約四万。俺は四万もだしてK240は買わない、って思いました。なんでしょうかね。ほんと似た印象です。

etymotic researchのER4Sを視聴

さて、今回購入したER4Sですが、むったんは「サウンドハウスの提灯広告だと思うんでアレは無しで」みたいな事を言っていましたが、やはりレビューとかを色々と漁っていると「最後はやっぱコレ」とかいう人が多すぎて気になってました。

イヤホン収集するつもりがないので、俺も最初で最後のイヤホンを一個だけ買おう、と思って候補に。

さて、ごっつい三段フランジが耳に入るかドキドキしながらの視聴です。

高い耳栓である

まず耳に入れてみて感じたことが「これイヤホンってーか耳栓じゃねーか」です。マジで店内の喧騒とサヨナラ。後ろからナイフ持ったヤバイ人に追いかけられでもしたら死にます、ソッコーで。

音量は小さいよ

実際に音を再生してみると音が小さい。音量が取れないっていう話はよく聞いていたので、スマホに接続していたので小さいのは仕方ねえかって思ってはいました。自分のスマホの音量マックスでまあ大体ちょっと音が小さいかな、って感じです。

んで、ヘッドフォンアンプに繋がせてもらい視聴。

音質は?

なんていうんでしょうかね。凄く解像度が高くフラットです。定位が気持ち悪いくらいハッキリと把握出来ます。音場は狭めでちょっと独特ですが、分析的で顕微鏡っぽいサウンドが作業をする時は好みですのでかなりヒット。

あと、耳栓なので音楽に集中出来るかんじもいいですね。MDR EX1000との比較では甲乙つけがたい感じでしたが、中域の解像度ですとか、ドラム関係のアタック感だとかはこちらが一段上に感じます。いっつもADAMで聞いているのでハイスピードじゃないと満足できない自分にはとてもしっくりきます。

レンジはEX1000の方が若干広い気がします。あと、世間で言われてるほど低音出ない訳じゃないです。モニター用途って考えるとむしろ低音はかなり十分に出る方です。K240STと家のADAMのセッティングより低音出てるんじゃないかな?

モニター用途を考えずにズンドコ聞きたい人にとってはそりゃ低音無いって言われるのもうなずけます。

そういえば「STAXに似てる」とか言う人がいますが、違います。STAXとER4Sの共通する特徴って「ヘッドフォン・イヤホンっぽくない」ってところだけだと思います。ER4Sは完全にモニターライクです。STAXはもうちょっとハイエンド・オーディオっぽい気持ちよさが有りますからね。大分違いますよ。

普段全くイヤホン使わない僕としてはSHUREの奴とかは「イヤホンってこんなもんだよなー」ってサウンドだったんですけど、ER4SとEX1000はちょっと一線を超える感じでしたね。ダイナミクスのレンジが広くて生々しい。

家に持って帰りさらに悶絶する

オーディオインターフェースにつないでミシェル・ンデゲオチェロを聞いてみました。すごいです・・・。イヤーチップはデフォでついてる透明のやつに。割りと普段ADAMで聞いてぐっと来ている感じに似ているし、さらに定位がはっきりして独特の楽しさが。ADAMほど高域のレンジが広くないのですが、十分天井にすーっと伸びていく感じがしますし、スピーカーよりも細かい音が聞き分けられますし、言うことなし。正直もうK240STは引退でいいんじゃねーかっていうレベルで満足です。

さらに家に帰って遠慮なく耳孔の奥に突っ込んでみますと、別に音量が小さいわけでは無く、ヨドバシでの視聴時にツッコミが甘かったのだと思いました。

色々とソースを聞いてみると、いつもスピーカーで聞いている感じにかなり近い!これなら作業出来るかも!って感じです。

ちなみにオーディオインターフェースの音量は大体12時~2時くらいで音量が取れます。AKG K240STに比べてもそんな変わらない感じです。家使いなら音量も問題無いという印象です。ちなみにインターフェースはAUDIENTのID22です。

デメリットは

「違和感の無い音質」ではありますが、装着感は違和感ありまくりでしょう。ちなみにですが、視聴してきた商品の中で最もつけ心地は不快でした。しかし私たまに耳栓しながら仕事してたりするのであんま気になりませんでした。

あと、再生ソースがレートの低いMP3とかだったらイライラすると思います。かなり録音の良し悪しが解ります。そういった点もモニターライクである利点ではありますが、能率の低さもあいまって外使いとか普段使いには向かないでしょう。

実際のところ、レコーディングモニターやミックス作業を行うのであればかなりオススメ出来る感じですが、それ以外ではあんまり活躍しなさそう。外で使うならポタアンは必要になるかと・・・。


最後に

ER4S、ガッツリオススメしたいです。なんか2016年内にニューモデルにモデルチェンジするとかいう発表も有りますので、「ED4-S」を買うならそろそろ最後かもしれません。後継機がおんなじものだったらいいんですけどね(いや、きっと同じなんだろーけどさ)。

意外とDTMやMIXI作業でイケるか、という視点でのレビューがあまり有りませんでしたので、今後実際にMIX作業を行ってみた場合などは追記していこうと思います!