Audient id22 オーディオインターフェース レビュー
さて、前回では勢いでオーディオインターフェースid22をポチってしまった佐々木でしたが、実際の所id22はどうだったのでしょうか!?
つうことで今回はid22のレビューです。
開封の儀
さて、こんな感じで開封です。ドキドキしますよね。機材は開封時が一番素敵です。使っていけばいくほどアレだし。
箱を開けると本体とUSBケーブル、電源アダプターとドキュメント四枚程度って感じで非常にシンプルでした。
最後の写真を見るとアダプタ付近に色々とありますが、こいつらは海外規格の電源コネクター類です。
肝心の音質はどうじゃ?
さて、本体をPCとモニタースピーカー(ADAM A7)に接続し、ドライバをダウンロードしてきてインストールした。小難しい事は放っておいて音楽を再生だ!!
まずはエリカ・バドゥを再生。なんだオイ。ばっちりとボーカルがセンターに定位して気持ちよか。デイブ・クラークのドラムセットの位置がばっちり把握できるじゃねえか!!なんつうかシンバル類も定位が良すぎて今まで俺は何聞いてたんじゃ!って位解像度が高い。リバーブなどの空間系の処理も非常に解りやすい。
特筆すべきは「低域の解像度」じゃないかと。キックのアタックがとても良く見える。ベースとの分離も良い。中高域でディティールを見せる機材は多いんですけど、低域まで正確に感じる機材って実はあまりない。
お次はNEUを再生。オープンリールテープの放つ「サーーーーーー」ってノイズが聞こえる。ちなみに前は聞こえなかった。ピックがギターの弦をこする質感まで聞こえる・・・。すんばらし。
スタンリー・カウエルのピアノ独奏の曲を聞く。なんつうかやっぱり部屋鳴りみたいなのが前よりも全然聞こえてくる。解像度高すぎ。ピアノの音の粒粒の一つ一つが美しい・・・。
音質の感想
音質は良い意味で柔らか目。でもきちんとフラットに解像度高くモニターライクな仕上がり。固くないのはレンジが非常に広いからではないかと思う。また、SNが高い為、音の立ち上がりがクリアな為に非常にダイナミックレンジが広く感じる。
家のモニタースピーカーであるADAM A7はF特が40khzまで伸びている非常にワイドレンジな逸品なのだが、そのリボンツイーターとの相性はむちゃくちゃ良い。高域に天井が無い。
全体的に以前使用していた「YAMAHA GO46」に比べ、解像度、フラットさは勿論全部上。てーか比較するのがおかしいレベル。薄いベールが三~四枚くらい取れた印象。
わかーい頃、SSLミキサーにJBLのラージモニターが設置してあるスタジオにお邪魔した事があるのだけど、そこで聞いた「スタジオでございます」という日常から乖離したプロフェッショナルなサウンドを思い出してしまった。そのくらい非常に高品位なサウンド。
録音してみた
id22はマイクプリが2chあり、さらにch2にはDIが付いている。さっそくグサッとベースをプラグインし、軽くCUBASEに録音してみた。
なんというか・・・、こりゃ・・・、俺が今まで使ってたHAはなんだったんだろうっていうレベルで高品位。非常に濃密な音で録れる。ベースのライン録音はいつもとても悩むのだけど、特に加工の必要性を感じないレベルに綺麗に録音出来ている。
非常に情報量が多い。割と癖は無いのだけど、濃密さが有る為色っぽく音楽的に録音出来ているじゃないか!!
DI入力はインピーダンス変換後にマイクプリ回路に行く訳だが、マイクプリの出来のよさが如実に表れている。初期マッキーのヘッドアンプなんか大好きだけど、あれより良い。
やっぱディスクリート最高!!と思わせてくれる素晴らしいマイクプリだと思う。なんつーか、「このマイクプリ10万円です」って言われても別にびっくりしないくらい素晴らしい音質。ダイレクトモニタリングしながら録音してたのだけど、非常に気持ち良くプレイできる音質だ。
ギターも録ってみた。ギターはレイテンシさげ目にして、Amplitubeを通して録音。ベースほど感動は無かったというか、Amplitube色に塗りつぶされてしまったが、前よりも心持ちプラグイン乗りが良い。
結構正確に捉えてしまう為、ミスが目立つ気が若干するけどwww
使い勝手
まず、ツマミ類が非常に重厚で良い。全部アルミ削り出し。とくにモニターダイヤルはクリックタイプでは無いので音量調整が非常にしっくりくる。インプットゲインの調整も適度にトルクが有って高級感のあるノブが良い。レベル合わせは魂のチューニングみたいなもんなのでこういう作り、すっごい大事。
また、DIMボタン、CUTボタンも便利。ちなみにこれらはプラスチックだが、結構ツルツルでしっかりしてて押してて気持ち良い。
DIMボタンはモニター音量を下げれるんだけど、自分はミックス中に音量の上げ下げしたいタイプなので重宝。CUTは電話が来た時にむっちゃ便利。モニタリングシステムを謳っているけれど、その名に恥じない使いやすさ。
ミキサー・ソフトウェア
凄いかっこいい画面。インプットチャンネルをボタン一発でステレオに出来る(普通)。とかまあ色々と出来ます。実はまだそこまでいじりこんで無いので正確なレビューは出来ませんが、良い感じ。
ヘッドフォンアンプとしての性能
実は自分、ほとんどヘッドフォンを使わない派。運よく、ずっと大音量出しても大丈夫な住宅に住んでいるので、あまり必要性は感じません。
id22はなんだかヘッドフォンアンプ部も好評との事で、愛機(SONY ST900を紛失したので仕方なく使っている)AKG 240sを接続して視聴してみましょう。
ソースはマイブラッディバレンタイン。ハイ、スピーカーで聞くのと同じで非常にバッドなサウンドでした。まあ、リファレンスとして適さないサウンドですね。
つうことでエリカ・バドゥのMama’s Gunを再生します。
ほほほ、なんだろう。スピーカーで再生した時と、定位のイメージが非常に似ているというか、どこら辺で音が鳴っているか十分把握可能です。正直、K240Sは実は鳴らすのが難しいヘッドフォンだと思っているのですが、とっても綺麗に再生。
確かに、メーカーのうたい文句や色々なレビューにもある通り、なんだか「スピーカーで聞いているのと違和感が無い」というのは本当だと思います。
つうことで、ヘッドフォンを外し、ADAMで音を聞いた後にCUTボタンで全音量カット、ヘッドフォンに付け替える、という実験を行いましたところ・・・、なんと無茶苦茶スピーカーに近い鳴りがします!!グレート!!
僕はアレです、ヘッドフォンじゃミックスとかぜってえに出来ない子だったんですが、うちのむったんはイヤホンやヘッドフォンでもMIXが出来る変態です。これなら僕も変態になれそう!!
非常に楽しいので、AKG240sのリケーブルなんてしてみようかしら、って思いました!!
アダプタをトランスタイプに交換してみた
ちょっとイタズラ。id22はUSBポートからのバスパワー駆動に対応していない。と言う事はACアダプターの変更でより高音質化が狙えるんじゃないか?と思いました。んで、以前利用していたGo46用のアダプタがなんと「トランス電源」で「同じ電圧・電流」だった為に交換してみることに。ちなみにこれはヤマハの「PA 5D」っていうアダプタ。
解像度がちょっと上がり、また低域が息切れせずにポンポンと元気よく飛び出すようになり満足。電源回路が貧弱な、ハーフラックタイプや小型モデルを利用している人には、まじで電源周りのチューニングはお勧め。
※アダプタ交換での故障は保障外なので自己責任で!!
まとめ
昔、20万くらいする某MOTU製のオーディオインターフェースを使っていたのだけれど、実はあまり満足できる出来じゃなかったのね。まあ10年以上前の製品だった(96khz録音が出来る様になったばかり)だったし、比較するのは酷だけれど、8万前後でこのくらいのクオリティの製品が買えるようになって、年々DTM市場は良い意味で熟成してきているな、って思いました。
割と楽器弾いたり、きちんとマイク立てたり、ギター・ベースのDI使う人にとって、id22は本当にコストパフォーマンスが高いと思いますよ。
なんせ、持ち運びができる上に、小型の機種の中にはとても高品位なマイクプリが入っている。ノートPCとid22をぽーんと入れて、練習スタジオにでも遊びに行けばとても楽しい遊びが出来ると思われます!!
兎に角むっちゃ音質が良いので、これからオーディオインターフェースを買う初心者にも、今まで4~5万のモデル使ってた人にも、もう既に高級機持っててサブや小型機を探してる他人にもお勧め出来るナイスなオーディオインターフェースでした。
さて、モチベーションが激上がりしてきておりますので、作曲頑張ります!!!